たまごコラムcolumn

良質な平飼いたまごづくりに欠かせない良質な「床(とこ)づくり」とは?UPDATE. 2019.6.12

私たち日本人が大好きな「たまご」。いろいろな特色をうたった商品がスーパーに行けば並んでいますが、そんな日常食材のたまごのなかでも「より質の良いいたまごづくり」のポイントのひとつに、たまごを産んでくれる鶏が快適な環境で過ごし、健康であることが挙げられます。

 

これまでも「たまごコラム」では、鶏が口にする飼料や水についてや鶏の種類など、さまざまな要素がおいしいたまごづくりに関係していることをお伝えしてきましたが、そのなかでも、鶏たちが元気に暮らし美味しいたまごを産むために欠かせない「床づくり」と呼ばれるものがあります。

 

この「床づくり」は平飼い養鶏において、たまごの品質を大きく左右すると言っても過言ではないほど大切なものなのです。そこで今回はこの「床づくり」について、その仕組みや、なぜ平飼い養鶏にとって大切なのかをお話したいと思います。

 

 

「床づくり」とはなにか

 

まずは「床づくり」とはどういうものかお話しましょう。

 

藤野屋商店_平飼い卵3

 

養鶏家にとって「床」とは【土】のこと、つまり鶏たちが過ごしている鶏舎のなかの「土」のことをいいます。 鶏が本来の習性を活かすことができ、なおかつ健康に過ごせる土壌を作ることを【床づくり】と私たちは呼んでいます。

 

質の良い土のうえでこそ、健康な鶏は育つ

 

「栄養があって美味しいたまごづくりのカギは、やっぱり鶏が食べる餌や飲み水とか、鶏の身体に直接摂り入れるものなのでは?」と思う方も多いかと思います。むしろ「鶏が走り回るだけの【土】がたまごの品質と関係があるなんて、なんとなく結びつかない」と不思議に思われるかもしれまん。

 

ここでちょっと、養鶏(たまごづくり)を農業に例えてお話しますね。

 

微生物などを多く含む良質な土壌が必要不可欠ですが、実はそれと同じように、農作物を育てるときには、よく「土が大切」っていいますよね?その理由は、微生物などを多く含んだ土は天然の栄養素がたっぷり含まれた土だからです。

 

この考え方と同じように、平飼い養鶏でも「自然の栄養」がふんだんに含まれた良質な土は、鶏の健康につながり、その健康な鶏こそが美味しくて質の良いたまごを産んでくれるというわけです。

 

 

鶏にとって良い「床」とは、どうやってつくられるのか

 

鶏のコンディションを左右する良い「床」は、いったいどのようにして作られるのでしょうか。

 

平飼いたまご_土

平飼い養鶏】が【ケージ飼い】と一番異なる点は、何と言っても鶏が土のうえで自由に過ごせるということ。以前のたまごコラム【平飼いたまごは最高の「出会い」と代々受け継がれた「絆」から生まれた信頼の賜物】でもご紹介した、平飼い養鶏の第一人者である荒牧光さんのエピソードにもあったように、藤野屋の平飼いでは、最初に鶏舎のなかに鶏を入れる前に、まず「土づくり」からスタートさせます。

よい土壌を作るためには、はじめに細かく切ったワラを分厚く敷き詰め、その上に鶏を放します。すると、ワラのうえで鶏がフンをすることにより、ワラのなかにある「自然の菌」が発酵して自然分解をはじめます。つまり、鶏フンが「自然の肥料」になることで、土をとても良い状態にしてくれるのです。

そして、その土のうえを鶏たちが元気よく走り回ることで、さらに菌とフンが混ざり合い、ちょっと言い方は不思議かもしれませんが「栄養たっぷりででサラサラ」な、質の良い床ができるのです。これはまさに、自然のチカラと鶏の習性を活かした「床づくり」といえます。

 

自然の菌が混ざった土は、まったく臭いません!

 

「自然の菌」というとなんだか正直、臭いとかも結構あるのでは?と思われるかもしれませんが、実はワラのなかにある微生物が発酵した土は、栄養満点になるだけでなく、何年経ってもサラサラで、臭いもまったくありません!

 

一般的な養鶏場の多くは、鶏のフンを処理しないと、ウジやハエがわき、悪臭が漂ってくると言われていますが、藤野屋の平飼いでは、フンが自然界に存在する菌と混ざり合うことで、きちんと発酵する環境と仕組みをしっかりと整えているので、イヤな臭いが一切ない、強い土壌を保つことができます。

本来であれば不要なものとして扱われるフンも、こうした循環が行われることで、土の肥やしとして生まれ変わることができるので、ムダもないですよね。平飼い養鶏におけるノウハウを藤野屋に伝えてくださった荒牧さんの、自然なものが一番自然で体に良い、という理論は本当に画期的です。

 

 

コンディションの良い床で育つ鶏は「健康優良児(鶏)」が多い!

 

こうして、強くて良質な土壌のうえで暮らすことは、鶏にとって次のようなプラスの影響をもたらします。

 

平飼いたまご_鶏舎_藤野屋商店①

 

安心して地面を「つつく」ことができる

 

鶏には、もともと「地面をつつく」習性があります。このときに状態が悪い土だと、人や動物に害をおよぼす悪い微生物を取り入れることになってしまいますが、質の良い土のなかにいるのは、鶏の身体にとって良い微生物。これらをついばむことで、結果的に鶏自身の体調も整ってくるんです。

 

筋肉がしまっている

 

平飼いの上質な土で育った鶏は、ヒナの頃から自由に飛び回り、いわば日常的に身体を鍛えている状態なので、筋肉質で身体がしまっています。人間と同じで、鶏も日々体を鍛えているほうが当然たくましいというワケですね。

 

腸が丈夫で健康

 

荒牧さんのお話によると、ヒナの時代から良質な床の上を飛び回り運動をした鶏は、良い菌を取り込むことで腸が長くなり、栄養の吸収率も高いのだとか。同じエサを食べるなら、腸のなかをゆっくり通って食べたものをきちんと消化したほうがが、健康的で良いたまごを産むことにもつながります。

 

 

藤野屋の平飼い鶏舎の土は「鶏のため」をとことん追求した土です

 

鶏のフンが発酵することで良い土=床づくりを保てることはお分かりいただけたと思いますが、実はフンに水分が多すぎる状態だと発酵がうまくいかず、逆にアンモニアなどの有害なガスが発生してしまい、悪臭の原因となってしまいます

 

平飼いたまご_鶏舎_藤野屋商店④

 

そこで、うまくフンを発行させるには「床」をしっかりと乾かすことが大切なのです。

 

前回のたまごコラム【藤野屋が質の高い平飼いたまごをお届けできる理由】でもお伝えしたように、藤野屋の平飼い鶏舎は、太陽が当たる時間や照射量まで計算しつくされた設計になっており、一日のうちに鶏舎のすべての場所に必ず日光が射し込むようになっています。これは、鶏の健康のためだけだなく「床」のためなんです!

 

日光が土がきちんあたることで、土が乾き発酵が起こりやすくなり、さらに鶏舎に入り込む雑菌まで消毒できるという構造は、土はもちろん結果的には鶏に健康に過ごしてもらい、おいしいたまごを作ってもらうため、試行錯誤のすえにたどりついた、藤野屋ならではの鶏舎の仕組みなのです。

 

コンディションの良い床で過ごしている鶏は、とにかく健康で丈夫です。藤野屋の【平飼いたまご】はケージ飼いとは異なり、簡単に言えば限りなく「ストレスフリー」のたまご。自然に近い環境のなかで過ごす鶏が産むたまごは、黄身が濃厚でコクもたっぷり。自然のめぐみを存分に受けた、生命力あふれる味わいなのです!

 

 

まとめ

 

今回は、平飼いの鶏が毎日暮らしている「床づくり」についてお話させていただきました。美味しいづくりのためには、何よりも鶏の健康が第一。その鶏の健康のためには、鶏が過ごす鶏舎の「土」も関係していることが、おわかりいただけたと思います。

 

たとえ平飼い養鶏をうたっていても農場の管理がずさんで、フンがうまく循環されていなければ、不衛生で「安心・安全の平飼いたまご」のイメージには程遠いですよね。

 

藤野屋ではフンを活用することで良質な土壌を作り出し、このことが結果として鶏の健康を守ることへとつながっています。まさに、鶏を主役にした鶏のための養鶏法で育った、美味しくて安全な藤野屋の平飼いたまごを、ぜひ一度お試しください。

 

 

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