たまごに表示されている賞味期限。食中毒の問題もあり、日付が過ぎると、もう食べられないと破棄していませんか?
保存法は?実際はどのくらい食べても大丈夫?調理方法で食べられる期限は変わる?
常に冷蔵庫に鎮座する馴染みあるたまごだから、たくさんの疑問が頭に浮かびますよね。そんな皆さんの素朴な疑問にお答えしましょう。
そもそもたまごの賞味期限とは?
まず、この賞味期限。どういった基準で日付が決められているのでしょうか。
日本は古くから、たまごを生で食べる文化があります。世界でも稀に見る食文化です。そのためには常に新鮮で安全なたまごを食卓に届けなければなりません。
平成11年、食品衛生法施行規則の改定によって賞味期限が義務化されたましたが、たまごの賞味期限とは【生で安心して食べられる期限】を示したものです。食中毒防止の観点から、サルモネラ菌の増殖が起こらない期間を基準に設定しています。
たまごの賞味期限と消費期限の違いについて
みなさん、消費期限と賞味期限の違いはご存知ですか?
・賞味期限とは【美味しく食べられる期限】
・消費期限とは【安心して食べられる期限】のことを示しています。
たまごの賞味期限は、夏場では産卵後16日以内、春秋は25日以内、冬場は57日以内とされています。
(引用:日本卵業協会HP たまごQ&A Q1 卵の賞味期限はどれくらいですか?より http://www.nichirankyo.or.jp/qa/hinshitsu.htm#tag01)
この日数は、イギリスのハンクフリー博士の研究に基づいて算出されたもので、家庭で冷蔵保存する7日間を加えたものだと言われています。
市販しているものは、大体2週間くらいの日付を表示して販売していることが多いようです。
そう考えると、季節の違いもあると思いますが、たまごの消費期限は、賞味期限から一週間から10日ぐらいまでではないでしょうか。ただし、10度以下で保存していることが長期保存の必須条件になります。
賞味期限切れ1日・2日のたまごは使っても大丈夫?
たまごは無菌状態で殻に包まれ、殺菌作用があるリゾチームという酵素成分が含まれていため、簡単に腐ってしまうものではありません。
たまごは意外にも日持ちが良い食品なのです。
市販されているたまごは、たまごの保存温度と生食できる日数から算出されるよりも短い日数を賞味期限として設定しています。
ですので、保存環境や保存温度をしっかりと守れていれば、賞味期限が1日2日過ぎていても、生食で食べても一応は安心です。
*加熱を行うと菌を死滅させることができるのでより安全に食すことができます。
*先に述べたのはあくまで、きちんとした保存方法で維持した場合の話です。
「安心して」美味しいたまごを味わいたい、ということであれば、やはり賞味期限を守るのが理想ですね。
目玉焼きやゆでたまご、卵焼き。作り置きの賞味期限は?
以前のブログで、たまごの割り置きはサルモネラ菌が増殖して大変危険だというお話をしました。では、加熱調理した卵焼きや目玉焼きは安全なのでしょうか?
火を通した方が、日持ちするというイメージがありますが、たまごはその逆です。
熱を加えると、リゾチームの働きが無くなり、たまごの中の菌を殺す働きが無くなります。そのため、火を通した料理であっても腐りやすくなるので、やはり作ったその日の内に食べるのがベターです。
たまごを目玉焼きにしたり、卵焼きにしても同じことが言えます。
たまご料理は食べる前に調理するのがより安全で美味しくいただけます。特に夏場のお弁当は注意が必要です。たまご焼きにはしっかり火を通し、菌が繁殖する条件をなるべく作らないようにしましょう。
たまごにあたると、どうなるの?
もしも食中毒になってしまった場合、人体にどの様な症状が出るのでしょう。知識として頭に入れておきましょう。
たまごの食中毒と言えば、サルモネラ菌食中毒です。
年々減少傾向にあると言われていますが、気温が上昇する夏場に発生することが多いと言われています。生たまご入りとろろ汁、オムレツ、卵焼き、自家製マヨネーズなど、十分な加熱処理をしていない食品が原因になっていることが多いようです。
感染すると、体内侵入から12~48時間の間に、下痢、吐き気の症状が現れます。その後、水様性下痢、発熱、嘔吐が始まります。約1週間で症状は治りますが、症状がなくなってもサルモネラ菌は潜んでいることがあります。
また、たまごを多く使う飲食店では、作り置きした溶きたまごが原因で食中毒を起こしたという案件も多数あります。外食産業にとって、食中毒の発生は信用の失墜に直結する深刻な問題ですので、くれぐれも注意しましょう。
万が一、サルモネラ菌に感染したら?
おかしいと感じたら、まずは必ず病院へ行って下さい。
その間、下痢や嘔吐がひどい時は脱水症状を起こさないよう、少しづつでも水を口に含み、水分補給を行ないましょう。
細菌性の食中毒による胃腸炎の場合、腹痛などの緩和や、脱水症状にならないように十分に水分をとるなど、対症療法を行うのが一般的ですが、症状が治まるまでは、病院の先生の指示に必ず従って対処して下さい。
食中毒の原因がたまごかな?と思ったら、購入したたまごをお持ちください。
弊社(藤野屋)では、たまごの洗浄から包装までを完全オートメーション化し、早い地域では翌日には小売店やスーパーなどの店頭に製品が並びます。
自社製品のたまごの衛生管理に関しては、万全の体制を整えていますが、万が一食中毒の原因が弊社(藤野屋)のたまごかな?と思った際は、迷わず一度ご購入頂いたたまごを店頭、もしくは弊社宛へ持ち込んで頂ければと思います。
弊社から保健所へ該当するたまごを提出後、検査結果をしっかりと情報開示させて頂きます。
*消費者保護の観点から、藤野屋はPL法(製造物責任法)にも加入しています。
正しいたまごの保存
栄養満点のたまごを、より安全に長期間鮮度を保って保存するためのコツをご確認下さい。
10度以下の冷蔵保存は鉄則!
サルモネラ菌増殖の環境などを考えると、安定的に10度以下で保存されていれば、長期保存できるという報告があります。
ちなみに、36度の環境下で1日置かれたたまごは、サルモネラ菌が食中毒を起こすほど増殖したという結果が出ています。
生食を好む一般的な日本人の食生活では、冷蔵庫での保存がおすすめです。食品衛生法でも、生食用殻付たまごは10度以下で保存することが望ましいと定められています。
たまごの尖った方を下向きに保存する
たまごを保存する際は、たまごの尖った方を下向きに保存して下さい。その理由には2つあります。
1つは、丸くなっている方にはたまごの気室があり、こちらを下にすると、卵黄と気室内の空気が触れやすくなり、細菌が入り込む可能性が高くなるからです。
もう1つは、尖った方が、殻の強度があるからです。
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