たまごコラムcolumn

藤野屋のたまごをつくる人【平飼い鶏舎編】UPDATE. 2020.12.02

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藤野屋では【ポートリー(ケージ飼い)】とは別にもうひとつ、40年以上おこなっている【平飼い】という養鶏方法があります。

 

平飼い鶏舎の鶏は、とにかく元気!毎日、土のうえを踏みしめ走りまわったり、くちばしで地面をつついたり、毛づくろいをしたり・・・。鶏本来のもつ習性をおこないながら、おいしいたまごを産んでいます。

 

今日は、元気いっぱいの鶏たちが産む【平飼いたまご】を生産している、平飼い鶏舎「三本松農場」の主任である甲斐場長に、平飼いたまごづくりについてお話を伺いました。

 

 

 

【平飼いたまご】づくりは、鶏の生活と健康が基盤になる

 

 

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────平飼い鶏舎「三本松農場」では何人くらいのスタッフが毎日作業しているんですか?

 

甲斐さん 鶏舎が全部で17棟(うちヒヨコを育てている鶏舎が2棟)あり、約12人のスタッフで持ち場をわけて作業しています。世代も20~60代までと幅広いです。

 

────どの鶏舎も、鶏が元気いっぱいですね。スタッフの日々の仕事について教えてください。

 

甲斐さん まず朝7時くらいには出勤し、朝のミーティングを行ってから業務を開始します。1つの鶏舎に約4000羽の鶏がいるんですが、各鶏舎に1~2人を配置して、鶏舎内の清掃や採卵、飼料がちゃんとエサ箱に入っているか、鶏の健康観察など、鶏が元気なたまごを産めるよう最適な環境づくりを行っています。

 

────たくさんの鶏がいるなかで鶏の健康を観察するってなかなかむずかしいですよね。

 

甲斐さん 僕もこの仕事をはじめたころは正直、鶏の様子をみてもよくわかりませんでした。でも先輩方の指導や経験をへて、今では鶏の調子は、だいたいわかるようになってきました。

たとえば、羽毛が逆立っていたり、羽毛全体にツヤがなかったり、トサカ(鶏冠)の色がおかしかったり、いつも元気なのに動かないとか・・・。

鶏舎ごとに、体調や調子が悪そうな鶏がいないかを見極めるのも、今の自分の大事な業務のひとつです。

 

────たくさんの鶏を見てきた経験がものをいう仕事ですね。

 

甲斐さん そうですね。鶏も人間と同じで、顔つきも性格も違うんです。逃げ足の速いヤツもいれば僕の後ろをついて歩いてくるヤツもいるし、おとなしかったり、気が強かったりと性格もいろいろ。個性がしっかりとあるんですよ。

でも、その個性をもった鶏たちを育てるということが、平飼い養鶏の面白さでもあります。

 

 

平飼い養鶏で重要な【土】を大切にすること

 

 

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────平飼い養鶏で大変なことってどんなことですか?

 

甲斐さん 大変、というよりも気をつかう点といえば【床の状態】です。床とは鶏舎の「土」のことなんですが、平飼い養鶏をおこなううえで「床」がベストな状態を維持することには、日々注意を払いますね。

 

床の状態は鶏の健康につながる

 

────なぜ「床」をつねによい状態にしておかないといけないんでしょうか?

 

甲斐さん 「床」をよい状態にしておく必要がある理由としては、鶏がストレスなく過ごすための良い環境を維持することと、鶏の健康を維持するためです。

平飼いの鶏はよく食べ、よく動き、よく眠る、という一日を過ごします。そのなかでも一日をとおして鶏が走りまわる「土」には、自然から培った「発酵菌」が多く含まれているんですが、土は気温や湿度、日当たりのほか鶏が足で元気よく土を踏んでくれることで、よい菌と鶏のフンが混ざりあうんです。そうやって「栄養素たっぷりな自然の菌」が含まれた良質な床になります。

さらにその良質な土を鶏がくちばしでつつくことで、鶏の体のなかに自然のよい菌が入り、鶏の腸内環境をよくしてくれ、鶏の健康につながるんです。

 

 

自分たちのつくるたまごで食べる人の健康を支えたい

 

 

────このお仕事でやりがいを感じるときってどんな時?

 

甲斐さん やっぱり自分のつくったたまごが、店頭に並んでいるのを見たときですかね。さらに言えば、たくさん並ぶたまごのなかから、うちの【平飼いたまご】を選んでもらった時は本当にうれしいです。

 

以前、あるスーパーさんに行ったとき、自分が手がけたたまごが並ぶ売り場で、うちの農場の写真などが飾られて販売されているのをみたときは感激しました。僕には子どもがいるんですけど、こどもにも自慢できるなって(笑)。

 

────【平飼いのたまご】のおいしさのポイントってズバリなんだと思いますか?

 

甲斐さん 「黄身」のおいしさですね。たまごを割った瞬間の黄身の盛り上がりというかふくらみ方がハリがあるんです。あと【平飼いたまご】を食べるなら、たまごかけご飯などやっぱり「生」をあじわってみてほしいです。黄身の濃厚さがわかると思います。

 

じつはうちの子どもたちは、よそで買ったたまごは食べず、【平飼いたまご】しか食べないんです・・・(笑)。

 

手前みそではありますが、大自然のなかの平飼いでのびのびとそだった「健康体」の鶏が産むたまごは新鮮で、質も味も自然とよいたまごだと思います。

 

 

 

鶏と同じように、スタッフものびのびと元気に、楽しく過ごしてもらいたい

 

 

 

───リーダーとして今心がけていることはどんなことですか?

 

甲斐さん 平飼いの鶏と同じで、スタッフもストレスがたまらないよう、のびのびと楽しく仕事ができる環境と雰囲気づくりを心がけています。主任として仕事をする以前から、上司だからとか男性、女性だからとかそいうのがあんまりすきじゃなくて。

 

大変なことも楽しいことも、みんなで平等でいることが大切だと思うので、スタッフとのコミュニケーションはとても重要だと思うんです。

 

僕は今年度から主任として、みんなの作業の全体的な管理をまかされるようになりましたが、だかといって上司面したりはしません。今でも、年下のスタッフから「ゆうちゃん」って呼ばれたりもしますし(笑)。

 

───社歴や性別、年齢にとらわれないフラットな関係がいいですね。

 

甲斐さん みんなが、かたい表情で働くんじゃなくて、ざっくばらんな関係でいたいです。ストレスや負担なく働けることで、仕事もはかどるしやる気もでてくる。そうすれば結果的に会社としてもとてもプラスになるんじゃないかと。

 

───今後について、思っていることなどあれば教えてください。

 

甲斐さん 僕はこの養鶏の仕事をはじめて5年になりますが、持ち前の負けず嫌いな性格もあって、これまで先輩方から聞いて見て、たくさんいろいろ経験し、仕事を頑張って覚えてきました。この経験を今の若手のスタッフにも少しずつ、それぞれのペースに合わせて伝えていきたいと思っています。

 

そうすることで、効率的に仕事ができる環境づくりもしていきたいですし、何より若手が育ってくれることで、平飼いたまごをこれまで以上に、多くの消費者に味わっていただけることにつながると考えています。

 

 

───たまごづくりに自信と誇りをもって、みんなで楽しく取り組んでいるんだなということが伝わってきました。平飼いたまごづくりは、手間ひまのかかることも多いですが、多くの方に質の高いたまごを届けるための大切な現場としてがんばってほしいです!今日はありがとうございました。

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