たまごコラムcolumn

生・ゆで・炒め…調理法で変わる!? 「たまご」の栄養吸収率と効果的な食べ方UPDATE. 2025.10.15

 

栄養豊富なたまご。私たちの食生活に欠かせない食材ですが、生のままか加熱(ゆでる、炒める、蒸すなど)するのかによって、体に取り込める栄養の吸収率が異なってきます。

 

そこで今回は、生たまご、加熱したたまごの栄養面での違いをはじめ、調理方法の違いによって得られるメリット・デメリットなどについてご紹介します。

 

 

「生」か「加熱」なのか。タンパク質の吸収率で選ぶなら、どちら?

 

まず、たまごを生で味わうか、または加熱するのかを「タンパク質」の吸収率という点でとらえた場合は、加熱のほうがよいでしょう。生たまごのタンパク質の吸収率は約50%なのに対し、加熱した場合だと90%。加熱することでタンパク質の構造が変化(変性)し、消化酵素が働きやすくなり、効率よく体内に吸収されます。

 

 

ビタミンの吸収率という点では?

 

「ほぼ完全な栄養食」といわれるたまごには、良質なタンパク質のほかにも、骨や歯を丈夫にするビタミンDや、皮膚や粘膜の維持に役立つビタミンA、E、Bなどが含まれています。分かりやすく言うと、たまごには「ビタミンC」以外のビタミン群が、ほぼ含まれているのです。

 

そして「ビタミンの吸収率」という観点からたまごを味わう場合、生or加熱、どちらのほうが吸収率がよいかというと、これは一概には言えません。ビタミンには「水溶性」のものと「脂溶性」ものがあり、生or加熱、それぞれで栄養の吸収においては、一長一短があるからです。

 

生食は「水溶性ビタミン」の摂取に最適

 

コレステロール_藤野屋_01

 

水溶性ビタミンはおもにビタミンC、B群(B1, B2, B6、 B12、 葉酸)などを指し、熱に弱い性質をもっています。また体にはほとんど蓄積されず、余分なものは尿などで排出されるので、過剰摂取しても心配はほとんどありません。

 

生食または加熱時間の短い半熟たまごなどで味わうことで、ビタミンの損失を抑えつつ、水溶性ビタミンを効果的に摂り入れることができます。

 

油と一緒に加熱すると吸収率が高まる「脂溶性ビタミン」

 

 

脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂ることで吸収率がアップします。その一方で肝臓や脂肪組織に吸収されやすく、体内に留まりやすい性質があるので、過剰摂取するのは避けた方が良い場合も。

 

目玉焼きや玉子焼き、スクランブルエッグなど、油と一緒に調理するのがよいでしょう。特にビタミンEは抗酸化作用があるといわれており、生活習慣病にも役立つと注目されています。

 

 

一番手軽な加熱調理「ゆでたまご」。固ゆで、半熟のメリット・デメリットについて

 

生食のメリットというと、「たまごかけごはん」のように手軽に味わえることや、水溶性のビタミン摂取に最適であることが分かりました。

 

しかし、ビタミンだけでなく良質なタンパク質も含めた栄養をしっかりと摂り入れたいのであれば、やはり加熱で味わった方が、よりよく栄養を吸収できることもご理解いただけたのではないでしょうか?

 

そして加熱の調理方法のなかで、一番手軽なたまごの加熱調理の定番といえば「ゆでたまご」。そのゆで方においても、栄養という観点から様々な長所・短所があるのです。

 

固ゆでたまごのメリット・デメリット

 

加熱_違い_ゆでたまご1

 

【メリット】

①卵白に含まれる、爪や皮膚、髪の毛などを健康に保つ栄養素「ビオチン」。その吸収を阻害物質である「アビジン」が完全に変性するため、ビオチンを効率的かつ確実に摂取できる。

②完全に加熱しているため「サルモネラ菌」などのリスクがほぼない。

③腹持ちが良く、間食にも最適で、ダイエットなどにもオススメ。

 

【デメリット】

①タンパク質が固く凝固するため、消化にかかる時間は約3時間ほどかかり、胃腸が弱い人には負担になることがある。

②水溶性ビタミンが失われている場合が多い。

 

半熟たまごのメリット・デメリット

 

 

【メリット】

①消化吸収が早い。タンパク質の凝固が適度で、消化にかかる時間は約1.5時間と短く、胃腸に優しい。

②加熱時間が短いため、熱に弱い水溶性ビタミンを摂取しやすい。

③とろりとした食感で、固ゆでにはない食べやすさや、料理にまろやかな味わいを引き立てる。

 

【デメリット】

①完全に火が通っていないため、食中毒のリスクが固ゆでたまごより高い。

②卵白の加熱が不十分なので、ビオチンの吸収阻害が残る可能性がある。

③消化が早いため、固ゆでほどは腹持ちしない。

 

 

「目的」合わせた調理法を取り入れてみましょう

 

生か加熱か、さらに加熱でも調理方法(油を使うor使わない)、加熱時間などによって、栄養の吸収率が異なることなどが、お分かりいただけましたでしょうか。

 

今一度もう少し分かりやすく、たまごの栄養効率を「目的別」にして、ご紹介しましょう。

 

【胃腸が弱っているとき→「半熟たまごor温泉たまご」】

胃腸が弱っているときや風邪気味など、体調がすぐれない時などの食事の際は、「半熟たまごor温泉たまご」がベター。消化吸収率が最も高く、胃腸にも負担がかかりにくいからです。タンパク質を接種することを優先し、体調を回復することを優先させましょう。

 

【美肌になりたいとき→「炒め物」】

油と加熱することで、ビタミンEの吸収率を高めてくれます。ただし、油を使いすぎないように気を付けてください。

 

【髪や皮膚を美しく健康に保ちたい→「固ゆでたまご」or「炒め物」】

ビオチンの吸収を妨げる物質「アビジン」を阻止できます。他にも、たまごに含まれる亜鉛も効果的に摂取できます。十分に加熱することがポイントです。

 

【ビタミンを多く摂りたい→「生たまご」】

ビタミンB群や葉酸の摂取をしたい場合に効果的です。ただし生で味わう場合は、食中毒などを防ぐため、たまごの鮮度や管理・保存方法には十分注意してくださいね。

 

【筋力や体力アップにつなげたい→「固ゆでたまご」or「炒め物」】

タンパク質の吸収率を最優先にしたいのであれば、固ゆでたまごや炒め物で味わってください。特に筋トレなどの後(できれば30分以内)に、ゆで卵を接種すると効率よく良質なタンパク質を摂取できます。

 

 

たまごの栄養素は奥深い。自分に最適な食べ方を楽しんで

 

高齢者_たまご_藤野屋01

 

ひと言で「たまごを食べる」と言っても、その調理法や食べ方によって、人の健康や美容に役立ち方が異なることをご紹介しました。目的に合わせた食べ方を知っておくことで、たまごの活用の仕方もぐんと変わってくると思います。ぜひ、たまごの栄養の摂取方法を理解して、日々の食生活を健康的で豊かなものにしていただけたらと思います。

 

 

 

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